以下の担当名は仕事上の役割を示します。専任部署の設置を前提とせず、兼務や外部支援を含めて、内容を判断する人と実行する人を決めてください。
結論:企業サイトのターゲットは、事業の主要顧客層とサイトの目的が合致するかどうかで判断し、複数のセグメントが必要な場合は優先順位と共通のメッセージを整理して設定します。例外として、ブランド認知のみを目的とするコーポレートサイトは、広範な層を対象にすることもありますが、主要メッセージは必ず絞り込んでおくことが重要です。
1. ターゲット設定の前提条件と判断基準
- 事業目的の明確化:新規顧客獲得、既存顧客支援、採用情報提供、投資家向け情報発信など、サイトが果たすべき役割を最初に決めます。
- 主要顧客層の特定:業界・業種、企業規模、購買担当者の職位、意思決定プロセスなど、属性で区分します。
- 利用デバイスの比率:スマートフォン利用が圧倒的に多い場合は、モバイルファーストでの情報設計を前提にします。
- KPIの設定:資料請求や問い合わせといった具体的な行動指標を想定し、ターゲットがそれらに結びつくかを検証します。
2. 社内での役割分担と確認フロー
| 担当部門・役割 | 実施項目 | 確認・承認者 |
|---|---|---|
| 経営層 | サイトの全体目的と主要ターゲットの方針決定 | サイトの方針を決める人 |
| 集客を担当する人 | 顧客属性・購買行動データの分析、ペルソナ作成 | 集客方針を判断する人 |
| 顧客対応を担う人 | 実際の商談で接触する顧客像のヒアリング | 相談対応を判断する人 |
| 採用を担当する人 | 採用情報が必要な場合の求職者像の整理 | 採用の判断者 |
| Web制作担当(社内または外注) | ターゲットに合わせた情報設計・コンテンツ構成案の作成 | プロジェクトマネージャー |
| 法務・コンプライアンス | 個人情報取扱や広告表示の適合性チェック | 法務担当者 |
3. ターゲット設定の具体的手順
- 目的の再確認:サイトのゴールを文書化し、全員で共有します。
- データ収集:既存の顧客データ、問い合わせ履歴、Web解析データを集め、属性別に分類します。
- ペルソナ作成:「相談前の課題」「必要な情報」「検討に関わる役割」を整理し、違いを説明できる範囲で代表像を作ります。人数を先に固定する必要はありません。
- 優先順位付け:ペルソナごとにサイトで期待する行動を評価し、主要ターゲットとサブターゲットを区分します。
- メッセージマトリクス作成:主要ターゲット向けの価値提案・ベネフィットを整理し、ページ構成と紐付けます。
- 社内レビュー:全担当者がメッセージとターゲットの整合性を確認し、承認サインオフを取得します。
- 制作・実装:確定したターゲットとメッセージを基に、デザイン・コンテンツを制作します。
- 公開前テスト:ターゲットが想定するデバイス・ブラウザで閲覧し、情報の見え方・操作性を検証します。
4. よくある失敗と対処法
- ターゲットが曖昧:目的とリンクさせずに属性だけ列挙すると、メッセージが散漫になる。
対策:必ず「目的⇔ターゲット」の二方向マッピングシートを作成。 - 複数ターゲットを同時に訴求しすぎ:ページの主題が分かりにくくなり、必要な案内を見つけにくくなる可能性がある。
対策:主要ターゲット向けのページと、サブターゲット向けの補足ページを分離。 - デバイス別の情報設計が不統一:スマートフォンで重要情報が隠れる。
対策:モバイルファーストで情報階層を設計し、必須項目は上位に配置。
5. 想定例(記入項目のテンプレート)
目的:新規顧客の資料請求増加
主要ターゲット属性:業界=製造業、企業規模=従業員500人以上、役職=購買部長・技術部長
ペルソナ項目例:
- 名前(仮称)
- 年齢層・経験年数
- 日常業務で直面する課題
- 情報取得チャネル(例:モバイル検索、業界ニュース)
- サイトで期待するベネフィット(例:導入事例、技術資料)
優先順位:主要ターゲット→サブターゲット(例:中小企業の技術担当)
メッセージ例:「検討段階の課題と確認事項を整理し、対応できる範囲をご案内します」
6. 短いQ&A(FAQ)
- Q: ターゲットは1つに絞るべきですか?
A: 基本は主要ターゲットを1つに定め、必要に応じてサブターゲットを設定します。主要ターゲットが明確でないと、サイト全体のメッセージが散らばりやすくなります。 - Q: ペルソナは何人作ればよいですか?
A: 提供する情報や次の行動が異なる対象を分けます。人数は事業と訪問目的に応じて決め、根拠のない人物像を増やさないようにします。 - Q: 既存顧客データが少ない場合はどうすれば?
A: 市場調査レポートや競合サイトの分析で属性を推測し、仮説ベースでペルソナを作成し、公開後のデータで検証・修正します。
7. まとめのチェックリスト
- サイト目的は文書化され、全員が共有されているか
- 主要ターゲットの属性と課題が明確に定義されているか
- ペルソナシートに「情報ニーズ」「期待行動」が記入されているか
- 主要ターゲット向けの価値提案がページ構成に落とし込まれているか
- 内容を判断する人と公開する人が、対象と案内の整合性を確認できているか
- モバイルでの情報階層が適切に配置されているか
関連サービスと基礎資料
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